車を買う時は、これから新しい車を迎えるワクワクの中で購入手続きを行うもの。
しかし、これから車を売ることを考えている方で、購入時の手続きを覚えている方は少ないのではないでしょうか?
車を売る時も、買ったときと同様、さまざまな書類の提出が必要になるものですが、決して安くはない大切なあなたの資産を売却する以上、当然といえば当然です。
とはいえ、こんなお悩みを抱えている方も多いはず。
- 車を売りたいけど手続きが複雑そうで不安
- スムーズに売却するにはどんな書類を揃えておけばいいの?
- 売却方法によって必要書類は変わるの?
そこで今回は、はじめて車を売る方でも分かりやすいよう、表と書類の画像つきで、ケース別に必要な書類を解説。
画像とセットで確認していくことで、漏れなく書類を揃え、スムーズに車を売ることができるようになります。
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売却先別!車を売る際の必要書類一覧
車を売ると一口に言っても、売却先として、
- オークションや友人・知人に売る個人売買
- ディーラーでの下取り
- 車買取店に売却
の大きく分けて3つの売却方法があります。
また、あなたの売りたい車が普通車なのか軽自動車なのかによって、揃えなくてはならない必要書類が異なり、やや分かりにくいということは否定できません。
しかし、残念ながらサイトによっては、混同して記載されているケースも見受けられます。
そこでこの章では、売却先によって必要書類はどのように異なるのか、普通車と軽自動車それぞれについて、車を売るときの必要書類を分かりやすく整理し、一覧表にまとめました。
普通車を売るときの必要書類
必要書類 | 個人売買 | ディーラー下取り | 車買取店に売却 |
---|---|---|---|
実印 | ○※双方が用意 | ○ | ○ |
印鑑証明書 | ○※双方が用意 | ○ | ○ |
自動車検査証(車検証) | ○ | ○ | ○ |
自動車税納税証明 | ○ | ○ | ○ |
自賠責保険証 | ○ | ○ | ○ |
リサイクル券 | ○ | ○ | ○ |
譲渡証明書 | ○※どちらかが用意 | ○※業者が用意 | ○※業者が用意 |
委任状 | ○※どちらかが用意 | ○※業者が用意 | ○※業者が用意 |
このように、売却先による必要書類の大きな違いはないものの、「個人売買」については少し注意が必要。
「譲渡証明書」「委任状」は、下取りや車買取の場合、業者側が用意してくれますが、個人売買の場合、売却する側か、購入する側のどちらかが用意しなくてはなりません。
また、「実印」「印鑑証明書」についても双方が用意する必要があるため、準備漏れのないよう気を付けたいところです。
軽自動車を売るときの必要書類
必要書類 | 個人売買 | ディーラー下取り | 車買取店に売却 |
---|---|---|---|
認印 | ○ | ○ | ○ |
自動車検査証(車検証) | ○ | ○ | ○ |
軽自動車税納税証明 | ○ | ○ | ○ |
自賠責保険証 | ○ | ○ | ○ |
リサイクル券 | ○ | ○ | ○ |
申請依頼書 | ○※どちらかが用意 | ○※業者が用意 | ○※業者が用意 |
ご覧頂くと分かるように、そもそも普通車に比べ、軽自動車は揃える書類が少ないのが特徴です。
しかし、書類の種類自体が異なるものもあるため注意が必要。
普通車と同じように、売却先の違いによる必要書類の大きな違いはありません。
ところが、「申請依頼書」については、売却する側か、購入する側どちらかが用意しなくてはならないため、どちらが用意するのか事前に取り決めておくといいでしょう。
今一度確認しよう!必要書類の入手先や再発行方法
ここまでで、あなたが車を売却する際の必要書類が把握できたと思います。
必要書類を把握しておくことで、個人売買はもちろん、ディーラーや車買取店へ売却する際、慌てることなく車を売ることができ、余計な手間を削減することにつながるのです。
また、必要書類が事前に紛失していないか確認し、万が一無くなっていた場合、実際の手続きに進む前に再発行しておくことでスムーズに売ることができます。
そこでここからは、具体的な必要書類の入手方法や再発行、注意点などについて詳しく解説していきましょう。
普通車を売るときの必要書類、入手先・再発行・注意点
まずは、普通車を売る際に必要な書類について、それぞれの入手先や注意点、紛失していた場合の再発行方法など、書類の画像つきで詳しく紹介していきます。
実印
書類とは異なりますが、書類と共に必要になるのが実印です。
実印とは、住民登録をしている各市区町村の役所に、戸籍上の名前で作られた印鑑を登録申請し、受理されたもの
紛失した場合は、速やかに新しい実印を用意し、役所で印鑑登録し直さなければなりません。
印鑑証明書
先に紹介した実印は、印鑑証明書を添付することではじめてその効果を発揮します。
正式名称は「印鑑登録証明書」と言い、市区町村が、「その印鑑は実印として登録されたものですよ」と証明してくれるものが「印鑑登録証明書」
印鑑証明書を発行するには、役所や証明サービスコーナーの窓口か、地域によってはコンビニで発行することも可能。
ただし、コンビニで発行する場合は、「印鑑登録証(印鑑登録カード)」では発行できませんので、「マイナンバーカード」を使って発行しなければなりません。
発行した印鑑証明書を無くしてしまった場合は、同様の方法で再度発行しましょう。
自動車検査証(車検証)
一般的に「車検証」と呼ばれるもので、車を売る際は必ず必要となる書類です。
その車が保安基準を満たしていることを証明する書類であり、その自動車に関する情報が細かく記載されています。
普段はあまり使わないものですが、大抵の場合、車のダッシュボードに保管されているものであるため、紛失する心配はほとんどありません。
万が一見つからない場合や、著しく汚損している場合は、ナンバープレートに記載されている管轄の陸運局で再発行が可能です。
ただし、陸運局が開いているのは平日のみのため、自分で手続きが難しいという場合、費用はかかりますが、ディーラーに代行してもらうこともできます。
自動車税納税証明
自動車税納税証明書とは、自動車税の納税が正しく行われているかを確認するための証明書
管轄の自動車税事務所や都税総合事務センターから、毎年5月に自動車税納税通知書が送られてきます。
その通知書の右側に添付され、コンビニや金融機関の窓口で自動車税を納めた時に渡される小さな紙が自動車税納税証明書です。
当然のことながら、自動車税は納めていないと名義変更をすることができず、車を売ることができません。
納税がまだ済んでいない場合は、事前に納税を済ませておきましょう。
小さい紙のため、支払いが済んだら「うっかり捨ててしまった!」というケースをよく耳にします。
そうならないよう、証明書を受け取ったら車検証のファイルに入れて保管しておくと安心です。
もし紛失してしまった場合は、各都道府県の都道府県税事務所に行き、機械に車のナンバーを入力するだけで、無料で証明書が再発行できます。
1年分の自動車税をまとめて支払うため、売却後に未経過分の自動車税は還付してもらえますので、売る際は忘れずに提出しましょう。
自賠責保険証
自賠責保険証とは、車の所有者が必ず加入しなければならない自賠責保険の保険証のこと
車検証と同様、頻繁に使うことのない書類なので、車検証と併せて車のダッシュボードに保管している方が多い書類です。
見当たらない場合は、車を購入したディーラーか、それでも見つからない場合は紛失が考えられます。
紛失してしまった場合は、加入している保険会社に連絡をし、再発行の手続きをする必要があります。
もし、どこの加入している保険会社かわからない場合は、普段整備を依頼している整備工場に問い合わせましょう。
再発行の手続きには時間がかかる場合もあるため、時間に余裕を持って早めに確認することをオススメします。
リサイクル券
リサイクル券とは、自動車リサイクル法(2005年1月施行)によって定められたリサイクル料が正しく納められているかどうかを確認するための証明書
自動車リサイクル法とは、車を廃車する際に処分するための費用を購入者が支払うというもので、原則として新車購入時に支払います。
こちらもまた、車検証のファイルに保管されていることがほとんどですが、万が一、紛失してしまった場合でも、リサイクル料金の支払いさえ確認できれば問題ありません。
ディーラーや車買取店に相談すれば確認してもらうことが可能です。
ただし、個人売買の場合は、自分で確認する必要があるため注意が必要。
証明書を添付することを求められたら、自動車リサイクルシステムのサイトより、リサイクル券と同等の証明ができる「自動車リサイクル料金の預託状況」ページを印刷することで代用できます。
その際、車検証記載内容(車台番号など)の入力を行う必要がありますので、車検証を準備しておくといいでしょう。
譲渡証明書
譲渡証明書とは、売買や譲渡で車の所有者が変わった場合、いつ、誰に譲渡が行われたかを証明するための書類
基本的にはディーラーや車買取店が用意してくれるので、住所氏名を記入した後、実印を押印して提出すればOK。
「個人売買」の場合は、自分で用意する必要がありますが、国土交通省によって定められたフォーマットがあります。
証明書は、国土交通省のサイトからダウンロードすることが可能です。
また、譲渡証明書の記入例もダウンロードできます。
こちらも車両情報などを正しく記入する必要がありますので、手元に車検証を準備しておきましょう。
委任状
車の売却には必ず名義変更の手続きが発生し、本来なら自分で陸運局に出向いて手続きを行う必要があります。
ですが、ディーラーや車買取店で売却する場合は、手続きの代行をしてもらうことになり、その代行を依頼する書類が委任状です。
こちらも基本的にはディーラーや車買取店が用意してくれるので、実印を押印して提出すればOK。
しかし、「個人売買」と、「所有者名義の異なる者が売却する」場合は、自分で用意しなければなりません。
後者の場合に関しては、例えば親名義の車をその子供が売る場合、委任状を用意して買取業者に渡す必要があるのです。
こちらも、国土交通省のサイトからダウンロードすることができます。
委任状の記入例もダウンロードできます。
病院や銀行の手続き同様、代理を挟むと、どうしても時間も手間も増えるため、あらかじめ確認して、早めに準備しておいて損はないでしょう。
軽自動車を売るときの必要書類・入手先・再発行・注意点
ここからは、軽自動車を売る際に必要な書類について、それぞれの入手先や注意点、紛失していた場合の再発行方法などを、書類の画像つきで丁寧に紹介していきます。
普通車との大きな違いは、印鑑は認印でよいため、付随して印鑑登録証明書も不要であることと、「委任状」「譲渡証明書」が不要な代わりに、「申請依頼書」が必要であることです。
認印
普通車と違い、認印だけで名義変更の手続きが行えるのが軽自動車の特徴です。
軽自動車は登録の区分が普通自動車と違い、法的な手続き方法が異なるため、実印と印鑑証明書、譲渡証明書は必要ありません。
ただし、シャチハタなどのスタンプ式の印鑑は使用できませんので注意が必要です。
自動車検査証(車検証)
一般的に「車検証」と呼ばれ、多くの場合は整備点検記録簿や取扱説明書と共に、グローブボックス内に保管してあります。
万が一、紛失してしまったり、破損や汚損してしまった場合は、再発行しなければなりません。
再発行する場合は、車検証に掛かれた住所を管轄する軽自動車検査協会に行き、所定の申請書に必要事項を記入し再発行しましょう。
ただし、軽自動車検査協会は平日しか空いていないため、自分で行くのが難しい場合は、ディーラーや車買取店に代行料を支払って依頼することが可能です。
軽自動車税納税証明
納税証明には違いありませんが、普通車と軽自動車とでは名称が異なり、正式名称は「軽自動車納税証明書」です。
内容自体は普通車と変わらず、毎年5月に軽自動車税納税通知書が送られてきます。
納税証明書になっているのは、通知書の右側にある小さな紙で、支払いを済ませると領収印が押され返却されます。
もし紛失してしまった場合は、車検証に書かれた住所の市区町村役場に行き、無料で発行してもらうことが可能です。
自賠責保険証
普通車と同じく、公道を走行する場合に必ず加入しなければならないのが自賠責保険です。
通常は車検証と一緒に保管されていますが、万が一紛失してしまった場合は、自賠責保険証の再発行を行いましょう。
再発行方法は、加入した保険会社に連絡する必要がありますが、どこの保険会社かわからないことも少なくありません。(任意保険と自賠責保険の保険会社は別)
その場合は、最後に車検を受けた整備工場に問い合わせることで、加入している保険会社を知ることができます。
ただし、再発行には数日から1週間以上かかる場合がありますので、あらかじめ確認しておくと安心です。
リサイクル券
こちらも普通車と同様に、自動車リサイクル法(2005年1月施行)によって定められたリサイクル料が正しく納められているかどうかを確認するための証明書
リサイクル料は通常新車購入時に支払われており、支払っていることを証明するリサイクル券は、車検証と一緒に保管しています。
もし紛失してしまった場合は、再発行ではなく、自動車リサイクルシステムのサイトにアクセスし、納付状況を確認。
そして、リサイクル券と同等の証明ができる自動車リサイクル料金の預託状況ページを印刷しましょう。
申請依頼書
申請依頼書とは、買取業者が軽自動車の名義変更手続きを行なう際に必要な書類
基本的にはディーラーや車買取店が用意してくれますが、「個人売買」の場合は、自分で用意しなければなりません。
申請依頼書は、軽自動車検査協会のサイトからダウンロードすることができます。
その他にも有ればなお良い書類
ここまで、車を売る際、一般的に必要な書類を、普通車、軽自動車に分けて説明してきましたが、それ以外にも準備しておくとスムーズに車を売ることができる書類やアイテムがあります。
時間的、精神的な余裕をもってスムーズに売ることが、お得に損せず車を売るために欠かせないポイントです。
振込先が分かるメモ
車を売る際、買取金額の支払いは、ほとんどの場合が振込になるため、振込先の指定が必要になります。
振込先の情報は、契約当日までに用意すれば良いことと、銀行のキャッシュカードなどでも確認できる内容のため、絶対に事前の準備が必要なものではありません。
ただ、口座を複数管理している場合や、普段キャッシュカードを持ち歩かない方は注意が必要。
振込先の指定に必要な情報は、「金融機関名」「支店名」「口座番号」「口座名義」4つです。
すぐに売買契約をしたい場合でも慌てることが無いよう、事前にどの口座に振り込んでもらうかを決め、振込先メモを用意しておくと安心でしょう。
運転免許証
意外に思うかもしれませんが、準備しておいて損はないのが運転免許証。
買取業者によっては身分証明書の提示を求められることもあるため、念のため携帯しておくことがオススメです。
買取店の店舗に出向く場合は携帯していると思いますが、自宅で手続きを行う場合は、手元に持っておくと手間が省けます。
ちなみに身分を証明できるものであればいいので、健康保険証でも対応は可能です。
メモ帳
車を売るという行為は、よほど車が好きで頻繁に買い換えているか、自分がビジネスとして携わっていない限り、そう多く経験するものではないはずです。
その上、手続きの内容が複雑であるため、買取業者と口頭で確認した話を全て覚えておくことはできません。
そんな時は、初歩的な方法ではありますが、メモを取ることをオススメします。
査定時、契約時を問わず、見積もりや契約書に書かれていない内容や、約束事などもメモしておくと安心です。
ただでさえ慣れない手続きですから、当日になって必要書類の不足があっては困ります。
また買取業者との間で、「言った言わない」という揉め事は避けたいものです。
最近では、スマートフォンのメモ機能を使って、その場で手早くメモするという方法もありますので、是非活用してみましょう。
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まとめ
車を売却するには、たしかに揃えなくてはならない書類がいくつもあり、決してカンタンとは言えません。
しかし、売却先と、売る車が普通車なのか軽自動車なのかをキチンと把握した上で、ここに書かれた必要書類を揃えれば、スムーズに車を売ることが可能となります。
売却先を「個人売買」「ディーラーでの下取り」「車買取」の3つに分けて考えたとき、売却先によって必要書類に大きな違いはありません。
とは言っても、「個人売買」については、双方もしくはどちらかが用意しなくてはならないものもあり注意が必要です。
また、普通車よりも軽自動車の方が揃える書類が少なかったり、普通車か軽自動車かによって書類の種類自体が異なります。
スムーズに車を売ることは、あなた自身の心に余裕が生まれ、結果的に車を損せず売ることが可能です。
あなたの大切な車を手放す以上、売ると決めたらすぐに必要書類の準備に取り掛かりましょう。