■カーエアコン(クーラー)の仕組み
カーエアコンは、液体が蒸発するときに熱を奪う性質を利用しています。
わかりやすく説明すると、病院で注射を打つときにアルコールで腕を拭かれた部分がひんやりとすることがあると思います
。実際にはアルコールの代わりに冷媒ガス(以前はフロンガス)が使われているのですが、その原理を永久的に持続させるために帰化した冷媒ガスを回収して再び気化させるという仕組みになっています。
※オゾン層が破壊されることがわかったため、現在ではフロンガスは使われていません。
また気化させた冷媒ガスが空気中に漏れてしまうと再び液体にはできなくなってしまうので、密閉された回路の中に閉じ込めています。
回路内が冷たくなると冷媒ガスを密閉している熱伝導の良いアルミ製の管が冷えて、ファンによって送風することで冷たい風が出るという仕組みとなっています。
原理としては家庭用エアコンとかわらず、この熱交換によって冷たい風を送っています。
■カーヒーターとの違い
カーエアコンには暖房機能というものはありません。
家庭用エアコンであれば、冷房運動時は室内に冷風を送り屋外に温風を出して暖房運転時にはそれとは逆に冷風を屋外へ出して屋内には温風を送る仕組みとなります。しかし、カーエアコンには暖房機能がなく、エンジンによって温まった冷却水の熱を室内へ送っています。
車のエンジンが始動した直後に温風が発生しないのは、エンジンの熱が冷却水に伝わっていないため水温が低いままだからです。しかし、一部の高級車などはエンジンとは別にヒーターがついていて、始動直後でも温風が出るようになっています。
つまり、冷媒ガスの気化によって発生した冷気を送風するのがカークーラーで、暖まった冷却水の熱を送風するのがカーヒーターということになります。
■車のクーラーを使うと燃費は悪化する?
先に結論をいうと、燃費は悪くなってしまいます。
さきほど述べたカーヒーターは、冷却水の熱を利用しているため特別エネルギーを使用しているわけではありません。つまり、車の燃費に影響することはありません。
しかし、カークーラーはコンプレッサーを作動させて冷媒ガスを気化させ、送風して冷風を送るので、パワーのない車であれば1割ほど燃費が悪くなってしまいます。除湿も冷房と同じなので、暖房を使用したときに除湿を使うと少々燃費に影響を及ぼしてしまうかもしれません。
カークーラーを利用するには、コンプレッサーを作動させるパワーが必要となります。アイドリング時にエアコンをつけた場合、微妙に回転数が上昇することがわかると思います。回転数が上がるということは、その分燃料を消費していることになります。
つまり、パワーのある車であればあまり燃費には影響しません。
実際、軽自動車のようにパワーのない車であれば、走行時にエアコンを入れるとパワーが落ちてしまうことを実感できているのではないでしょうか。
- ・燃費への影響
普通自動車…3~5%程度
軽自動車…8~10%程度
少なからず、カークーラーを使うと燃費は悪化してしまいます。