新車の慣らし運転ってなに?
慣らし運転とは、新車を本格的に使用する前に、その車本来の力を最大限には使わず性能をおさえた状態で使用することを指します。
さまざまな製品を組み合わせてつくる車ですが、新車購入後すぐというのは故障率の高い「初期故障期」にあり、一定走行距離に達するまで負荷をおさえた(エンジン回転数をおさえるなど)運転をする必要があります。
では、慣らし運転で得られる効果をご紹介していきます。
●慣らし運転で得られる効果
慣らし運転で得られる効果は、以下のようになっています。
- ねじの緩み
- 立て付けの悪い部分の発見
- 端子やコネクタなどの配線し直し
- オイルリークの発見
- タイヤの慣らし
- ゴム製配管の収縮
一見工業製品としてきちんと取り付けられているようでも、実際には走行中の振動によりねじの緩みや立て付けの悪い部分、配線が外れるといったこともあります。
そういった部分を発見することができる効果が得られ、新車点検時にそれらを修正することが可能です。
新車の慣らし運転は必要?それとも不要?
結論からいうと、慣らし運転はした方が良いという意見が多数です。
とはいうものの、実はメーカーによっても意見が分かれていて、慣らし運転については賛否両論であることは間違いありません。
- 各メーカーの慣らし運転に対する意見
- トヨタ 慣らし運転は必要ない
- 日産 絶対に必要ではないがした方が良い
- ホンダ 慣らし運転は必要ない
- マツダ 絶対に必要ではないがした方が良い
- スバル 慣らし運転は必要
- スズキ 慣らし運転は必要
この結果をみると、6メーカー中4つのメーカーが慣らし運転はした方が良いという意見となるため、必要という見解の方が多数派ということがわかります。
●なぜメーカーによる慣らし運転不要論があるのか?
なぜ慣らし運転が不要なのか?と疑問に思われた方もおられると思います。
- ▼トヨタ
一般的な安全運転を心がけていれば各部品のなじみが出てくるため、特に必要ないという意見のようです。
むしろ慣らし運転は、ユーザーが新しい車に慣れるための期間と考えているようです。
- ▼ホンダ
現在の車はエンジンやその他の部品精度が向上しているため、慣らし運転をする必要はないという意見のようです。
ただし、エンジンやミッションなどの駆動系保護のために、取扱説明書に記載(なければ1,000km走行まで)された走行距離までは、急激なアクセル操作や急発進などは避けるように呼びかけています。
結果的に、特別慣らし運転をする必要はないが、新車のうちは負荷をおさえた運転をするようにというのが両者の意見のようです。